先日、このような記事がでていたので読んでみたんですけれどもね…。
リニアは日本をどれだけ狭くするのか?~到達所要時間ビジュアライゼーションマップに挑戦~
ざっと見た感じ、目新しいところは新幹線の新規開業による移動時短効果が可視化されているくらいで、あとはどうってことの無い、古くさいデータの集計方法ですよね。
こういうのは1970年代にはもうとっくに集計されていたのですが…とか、そういうつっこみを入れてみたくなりますけれども、まあいいでしょうか。
「幹線の交通機関の近隣は時短効果が大きく、そうで無いところは時短効果は若干減少気味に現れる」
ということをおっしゃいたいような感じのレポートなんでしょうけれども、その結論にどんな新規性があるのだろうか…? と、甚だ疑問に思います。
そうですね。たとえば、下北半島に注目するとするのなら、
・南の方が東京に早く行ける
・大湊線の駅近辺は東京に早く行ける
・北通りとなると、東京に行くのには時間が掛かる
至極当たり前の結果しか可視化されていないわけで。
こういうことを言うのもなんですけれども、机上計算のみで、ビッグデータを名乗り、なんか当たり前の結果を導き出す。ずいぶんお気楽なレポートなんだなあ、と思いました。学生さんが作ったのでしたら、まあ、納得なんですけれどもね…。
上記で紹介したシミュレーションはあくまで現実の交通網、インフラに基づいたものでした。
しかし、Yahoo!地図は現実と異なりデジタルデータですので、「もしも」を設定することが原理的には可能です。
…。私は、かなり前にWindows 95上でそういうプログラムが走っているのを実際に見たことがあるのですがね…。
まさか、Yahoo!は、「どうしても結果にきれいな色を付けたいんです!」というその一念でこの商売をやっているのでしょうか。
というわけで、この程度のデータで「ビッグデータ」を名乗れるのだったら、本当にお気楽で素晴らしいことだな(もちろん皮肉で)、と思いました。
本当はもっと色んなデータを持ってるんだから、(例えば、A地点に居る人間が地名Bを検索した回数、等と)組み合わせたらどうなの? それがソフト面を含むインフラ整備計画に結びつくんじゃないの? とか思いますが、そこまで思い至らないんでしょうかね…。
というわけで、タイトルで毒づいてみました。