最近思うのですけれどもね。
私は、「新幹線ができて、不便になりました」という言説が黙殺されるような、そんな青森県で暮らしています。
例えば、今回の北海道新幹線開業。実際、夜行急行「はまなす」の廃止により、「同じ時間帯に青森駅を出発し、同じ時間帯に札幌駅に到着する」ということが不可能になりましたよね。
さらに言えば、蟹田駅を利用している人はどうでしょうか。特急が廃止になり、ものすごく「不便」になったことを感じていると思いますよ。そのあたりは想像に難くないと思いますが…。
新幹線ができて便利になる、という、そんなお伽噺はとっくに通用しないはずのものであるのですが、どういうわけか、少なくとも青森県内においては「新幹線ができて不便になりました」という論説は、総スルーされる可能性が極めて高い、といわざるを得ません。
2010年の12月に、八戸－新青森間の新幹線が開業したのですけれどもね。その際も、「下北半島は交通が不便になる」という、そんな傾向の意見は必ずもって黙殺されてきました。「青い森鉄道の赤字が増大するのは困る」という意見が出ることがあっても、「新幹線ができたせいです」という、当たり前の原因に言及した意見を見たことがありません。
実際、新幹線の恩恵にあずかっているのは、駅周辺くらいのもので…。遠く離れた地域にはなんの恩恵もありません。むしろ、限られたパイが新幹線の駅周辺に吸引されるので、デメリットのほうが大きいのですよ。
そのようなわけで。
新幹線が八戸止まりだった頃は本当によかった、便利だった、楽だった、東京フリーきっぷも安かった、と懐かしく思い出しています。
