ヨシミ22歳のむつ市・下北半島近辺で待ってる

むつ市在住のヨシミ22歳は、以前、ネット界隈でそれなりに人気があったらしいですよ? 言い換えると、今は、人気が無いのです!

ジオパークへのご意見 その後

 先日のジオパークの件ですけれどもね。 

mutsu-shimokita.hatenablog.com

  その後、新聞記事に載ったようですけれども、市は「ジオパーク関連の費用に充てるため、ふるさと納税を!」みたいなキャンペーンをやっているようですね。

 いや、ふるさと納税の口実にするのにはいいんでしょうけれども、じゃあ、誰のためのジオパークか、という問いを投げかけられると、これはもう次の審査でまた落ちるんじゃないか、と思えてどうしようもないわけで。そのあたりのことは考えられているのでしょうか。疑問が大きいですね。

 前回の記事に対するコメントを、また、その…北海道の「かせきはかせ」(理学博士)の方からいただきましたので、前段を省略の上、引用をさせていただきます。

ついでに補足説明を.
そもそも,ジオパークには日本の下部組織が "世界ジオパークへの登録を目指す地域" の一つとして認定する「日本ジオパーク」という段階と,ユネスコ直下の組織の管轄するジオパーク(日本では「世界ジオパーク」と言われていますが,こっちだけが本来の認定ジオパークです)があります.下北の場合,この「日本ジオパーク」の審査に落ちたということですので,相当,準備が足りていなかったのではないかと推測されます.
ジオパークの概念は「現在の自然・地質(史)・地理を中心とした文化・社会形態を包含した公園」と言えます(そういう観点から下北半島の素材は非常にジオパークに適しているとも言えます).これらの素材に加えて,ジオパークには,地域住民による継続的な維持・管理と,それらを巡るジオツーリズム(教育)による地域の発展という命題が設定されており,この部分がいわゆる「住民の機運」にあたります.
この「ジオツーリズムによる地域振興」という発想は,いわゆる世界遺産が「もの」を重要視するのに対して,ジオパークは,そもそもの自然(地質・地理)と,その自然の中で醸成された人間活動そのものを文化史教育の観点から重要視するという視点から来ています.つまり,これまでの自然と地域住民の共生的発展の歴史に,新たにそれを資財とする地域の発展の段階を付け加えようという考え方です.
よく,ジオツーリズムの概念を観光産業と結びつけ,「ジオパークは観光の種になる!」と誤解されていますが,似て否なる概念です(ジオツーリズムはあくまで自然と文化史の教育が重要なので).
「観光の種」としてジオパーク化したときにガックリされる要素として,「ジオパーク認定」の付加価値が元々の地域の魅力に対して,(残念ながら)微力過ぎるという点が挙げられます.とくに,下北のように,元々,自然も文化も魅力的なことが周知な地域では,「ジオパーク認定」による観光付加価値は微々でしょう(そもそも,一般人は学術的な面,とくに地学にはまったく興味がない!/泣).
私の個人的な意見では,下北半島ジオパークとして非常に面白く,魅力的な地域になるとは思いますが,もし,観光的な成果だけを目的にしてジオパークに邁進しているのであれば,とてもお勧めできない,といったところです(そもそも,ジオパークはそういう概念のものではないですし).
また,世界遺産は「もの」だけが維持されればいいのですが,ジオパークでは「もの」を含めた地域の文化などの諸々が維持発展していないといけないので,(世界ジオパークについては)定期審査が相当厳しいです.場合によっては,認定が取り消されます.日本ジオパークの審査がどうかは,よく知りませんが,あくまで日本ジオパーク世界ジオパーク申請のための準備地域なので,怠けていたらダメになるのは当然で,それなりに維持するのは大変だと思います.
ジオパーク(申請)自体の是非は,私からはなんとも言えませんが,上記のような内容が地域全体で共有されていない状態というのは,まだ,申請に至るような段階ではないのではないかと思います.

 要点を抜粋すると、下記のような感じでしょうか…?

  • 日本ジオパーク」の審査に落ちたということは,相当準備が足りていなかったのではないか
  • ジオパークには,地域住民による継続的な維持・管理と,それらを巡るジオツーリズム(教育)による地域の発展という命題が設定されている
  • ジオツーリズムの概念を観光産業と結びつけ,「ジオパークは観光の種になる!」と誤解されているが,似て否なる概念である
  • 観光的な成果だけを目的にしてジオパークに邁進しているのであれば,とてもお勧めできない
  • 日本ジオパークですら維持するのは大変である

 こんな感じでしょうか。
 ジオツーリズムに関連して言えることは、下北半島にいわゆる大学等の高等教育機関が無いこと。下北半島学術的に研究される余地はふんだんに残されているのですが、あまり…研究されている雰囲気はないですね。論文もそんなに多くは無いような気がしました。見たことはあるのですが…。
 なので、今から研究をするなら狙い目です! と書いておきましょうか。
 しかしながら、その研究の成果が住民に還元されているとは言いがたいので…もはや、教育による地域の発展どころでは無いですよね。
 逆に、観光に結びつけよう! という、(余計な)機運ばかり目についていて、うんざりしているところですが…いかがでしょうか。
 しっかりした準備できていないし、あさっての方向を向いているし、こんな状態だったら今からでもジオパークは10年から20年程度塩漬けにして、様子を見てもいいんじゃないですかね?
 そう思えてなりません。